東京都道33号上野原あきるの線・旧御籠橋

調査日:2017.3.18

上野原から甲武トンネルを越えて(これがきつい上り坂だった)五日市に向かう途中、旧道がないか脇見運転をしていたところ、気になって自転車を止めたのがここ。

12:51
現在地:東京都檜原村南郷
更に詳しく言うと下川乗集落の西端で、この場所には3つの橋が架かっている。
一つ目が現道の御籠(みかご)橋、二つ目は右側に続く旧道の橋、そして三つ目が左のフェンスの先にある上川乗橋(仮称)である。

旧道に入る。
ごちゃっとしているが、歩く分には支障はない。

大丈夫か?この橋。
上流側の欄干は傾いており、下流側は倒れ落ちたのか、最初から無かったのか。

左岸へ渡って振り返る。
こちらからだと橋上に生える木が印象的。

上流側の親柱は無くなっており、倒れてる石がそれっぽかったが、軽く力を入れただけでは微動だにしなかった。

下流側の親柱には「昭和二年」と刻まれており、これが現地にあった唯一の情報だった。

斜め方向から。橋台はしっかりしている様子。

旧道沿いに建つ供養塔。この先も南秋川沿いで多く見かけた。

五日市側の現旧道分岐。

最後に川床から。
橋上の状態に反して、橋桁は素人目には致命的な痛みは無いように見えた。


机上調査


檜原村史を開くと、風土記記載の江戸末期の橋梁として、南谷の下川乗に「ミカゴ橋」の名前があり、直系の橋であると推測される。

時代が下って大正11年7月、都道33号の原型である府道213号五日市上野原線が南秋川初の府道として認定される。(これに先だって、檜原村は山梨県と共謀し、陸軍甲府歩兵第49連隊に行軍してもらうなど、軍事的に重要路線であることを内務省に宣伝している。)
すなわち昭和2年に架けられた旧御籠橋は、府道の橋として架替えが行われている。

その後、昭和30年12月に都道42号(→後33号)上野原五日市線に昇格し、更に時代が下ること昭和54年9月に現橋の供用開始が告示されている。

過去の東京都公報を調べたハルニチ氏によると、旧道廃止を昭和54年9月と結論付ける一方で、現橋はそれより古いのではないかと見解を示している。
実際のところどうなのだろう。道路施設現況台帳を見れば正確に判るだろうが、手持ちの資料とインターネットで調べてみる。

御籠橋の現況を見てみると、舗装が綺麗だったり、現代的な高欄が付けられていたりと比較的最近の改修を思わせる。

東京都入札情報サービスより転載のうえ加工
東京都の入札情報を調べると平成28年7月末に「御籠橋外3橋補修工事及び路面補修工事(28西の5)」の入札が行われており、落札されている。工期が150日ということなので、ここ半年のうちに改修されたようだ。
話を現地に戻すと、4つある親柱は「御籠橋」と「みかごばし」の銘板のみで、竣工年は教えてくれない。

橋桁側面に回り込み情報を探したところ、見つけたのが35mm換算にして焦点距離480mmで撮った上の画像。
平成19年11月に塗装したことが書かれているだけだった。

最後に航空写真を見る。
左は昭和44年6月で右は昭和49年12月に撮られたもの。右の写真では左の写真よりも”コブ”が小さくなっていることから、橋の架替えが行われたのはこの5年の間に絞ることができる(なお、昭和44年10月に撮影された写真でも工事の気配は感じられない)。

この間の大きな出来事といえば、昭和42年5月に着工し昭和48年3月に開通した「奥多摩有料道路」(平成2年に無料化され現在は奥多摩周遊道路)の存在がある。

この道路の開通によって、檜原村と奥多摩町を自動車で直接行き来できるようになった。
檜原村史によれば、その際に上野原五日市線も全線にわたって改修しており、御籠、滑石(なめいし)間は昭和40年代に改修したとある。

以上のことから、御籠橋が架替えられたのは昭和45年から47年の間と結論づけたい。


(完結)


参考資料

桧原村史編さん委員会(編)・桧原村史
ハルニチ氏 道徒然話
https://ameblo.jp/halunichi-3z/entry-12480169545.html
東京都入札情報サービス
https://www.e-procurement.metro.tokyo.jp/indexPbi.jsp

変更履歴

2017.3.20 公開
2019.6.22 移転に伴う改訂

2 件のコメント:

  1. 上野原あきる野線(1995年8月までは上野原五日市線)についてですが、
    山梨県側の県道番号は11号でした。

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  2. 11号と書きましたが正しくは2号でした。

    1956(昭和31)年、山梨県が認定した主要県道第1次認定路線は下記でした
    (番号は1959年4月に改定)。

    1甲府青梅線、
    2上野原五日市線、
    3甲府市川大門線、
    4市川大門鰍沢線、
    5甲府鰍沢線、
    6甲府敷島韮崎線、
    7甲府昇仙峡線、
    8塩山市川大門線、
    9市川大門身延線、
    10身延本栖線、
    11富沢岩渕線。

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