犬越路林道・神の川林道(前編)

【前編】【後編】

調査日:2016.9.10

今回の調査は地形図を見ていたとき、丹沢の山奥にポツンと存在する隧道を見つけたのがきっかけである。

この日は御殿場から山伏峠、県道729号不通区を経由してきており、本物件が計画上最後の物件であった。
経路は三保ダム→県道76号→犬越路林道→神の川林道→県道76号→藤野駅とし、藤野から輪行での帰宅を予定。
大抵の場合、事前に距離と勾配、移動手段などから概算の所要時間を考えており、三保ダムから林道入口までの9.1kmに1時間、犬越路隧道までの上り4.7kmに1時間、県道合流までの下り8.3kmに1時間と計3時間を見積っていた(藤野駅までの20.7kmに更に1時間)。
実際は計画より遅れがちになるため、プラス1時間は欲しいのだが、すると下山は18時過ぎ…微妙な時間だ。

とりあえず、身体の具合を見ながら林道入口まで行ってみて、ダメそうなら引き返すことにした(箒沢隧道も見たかった)。

14:16
現在地:神奈川県山北町神尾田
現在地は県道76号の永歳橋先で藤野方面を見ている。
この県道、藤野まで車両での通り抜けが出来ない不通県道なのだが、それなりに自動車が通っており、犬越路峠北麓のキャンプ場までのアクセス路として使われているようだ。

寄り道をしつつ進むこと1時間。
ここから先の道は一般に白石林道と呼ばれているようだ。

東沢林道・犬越路林道方面を案内する青看が現れる。

県道と林道の分岐。
右折した先から東沢林道となり、犬越路林道はこの林道を2.5km進んだ先から分岐するかたちとなっている。
県道もこの先1kmほどで徒歩道となり、犬越路峠を越えていくのだが、それはまたの機会にでも。

15:29
分岐から700m。50mほど登ってくるとゲートが現れる。

ここまでヘアピンカーブを交えた辛い登りが続いている。
等高線を読む限り犬越路林道分岐までの序盤戦が一番キツイようなので、ここが踏ん張りどころだ。

15:51
現在地:神奈川県山北町中川
分岐到着。当地が犬越路林道の起点となっている。
左折の犬越路林道が本線的な扱いを受けており、麓からの一連の路線を形成している。
なお、右折の東沢林道はここから非舗装になり、3kmほど進んだ所で行き止まりとなる。

犬越路林道に入り、幾分勾配が緩くなったので僅かに進行速度は上がったが、地形的には険しい地形が続く。

橋発見。種類としては方杖ラーメン橋というのかな?
現地での銘板確認を忘れ、後日の机上調査で出てきた橋名はオヒデ橋というのだが、検索しても全くヒットしないので少々自信がない。

現れた津久井地区行政センターと津久井警察署による「この先□km通行止」通知。

谷を挟んだ正面に電信柱が見えた。
あの辺りに犬越路隧道があると見られる。

初めて現れた瓦礫類。
隣の沢から溢れ出たようだ。

2回目の通行止通知。
今度は距離が明示されており、900m先とのことである。

……この空気
そろそろかな?

おー
またしても隣の沢筋が盛大にやらかしている気がする。
ちなみに手前の橋は富士見橋という橋である。天気が良い日には富士山が見える。

【犬越路隧道】
昭和45年竣工、延長794m、幅員6.2m

16:25
到着。
来訪時は瓦礫が道いっぱいまでなだれ込んできており、四輪の通行は出来ない状態だった。

扁額は1字ずつはめられており、その下に「神奈川県知事 津田文吾書」とある。

改めて悪さをした沢を見る。圧倒的物量である。
ここ10年で徐々に堆積していったところ、この1年で決定打が打たれたようだ。
この場所には開通記念碑があり、瓦礫で埋もれてくると誰かが退かしていたようだが、完全に呑み込まれてしまった今、再び掘り起こされる日が来ることを願っている。

隧道前の広場で15分ほど食事を摂ったりと休憩していたが、ずっとこうしている訳にもいかない。隧道を通り抜けてしまおう。
隧道内部はコンクリート巻き立てのコンクリート舗装といたって普通である。
延長が800m近くあるためか、照明器具は多く設置されている。
しかし、林道自体が一般車両通行止となってからは消灯されているようで、坑口付近以外は足元も見えない程に暗くなる。
それでも、反対側の坑口から入ってくる光が見えるため、自転車で走る分には隧道特有の気持ち悪さは感じない。徒歩の場合、10分近く坑内を歩くことを考えるとどうだろう……

ただ、細かく見ていくと壁面2、3箇所で水漏れが発生していて、その勢いは結構強い。補修したものの再発している箇所もあるようだ。

入坑から4分ほどで通り抜ける。
藤野側の坑口。ポータルが変色しているが造形自体は山北側と同じである。

隧道を抜けた正面のコンクリ擁壁には「→これより先通行止」と張られている。

右折方向を見る。
左にある標識には「この先転回できませんのでここでUターンしてください」と書かれていた。
なお、左折方向に進むと神の川林道の終端部に続いているようだが、時間の都合上今回の調査は見送った。

神の川林道の山北側ゲート到着。
この日は片側が開放されていた。

前編はここまでとし、次回は神の川林道を下っていく様子をお届けしたい。
なお、調査の翌月には隧道前の瓦礫は退かされて、車両の通行はできるようになった模様。
しかし、9月にしては寒いな……


(後編へ)

0 件のコメント:

コメントを投稿