東京都道201号十里木御嶽停車場線(後編)

【前編】【後編】

調査日:2015.12.19

前回に引き続き都道201号十里木御嶽停車場線を紹介していこう。
この先の区間の調査は前半区間の調査から4ヶ月遡った2015年12月19日に徒歩で行った。
後半の注目は400m下にある御岳登山鉄道(以下、ケーブルと表記)滝本駅までを18段の九十九折を使い下っていく全長約2.7kmの「車輌進入禁止(指定車輌及び居住車輌を除く)」区間である。

16:06
現在地:東京都青梅市御岳山
現在地は都道184号と都道201号の北側分岐点。
御嶽神社方面から見て、都道184号は画像の路地へ左折し氷川方面へ向かう。
一説(地理院地図)には都道201号もここを左折し、次の角で右折するという話もあるが、今回は道なりに直進する。

なお、分岐点には2つの道標があり、右の道標には南側(画像左側)から反時計回りで「此方 氷川道」「正面 御本社道」 「御嶽驛道」「昭和八年三月八日 清水正十介」と書かれている。
左の道標は読み取れなかったが、同じことが書かれているらしい。
こちらとか正面とか言われても、どちらなのか分からないのが正直なところである。

都道184号を見送った矢先、都道201号もすぐに左折する。

左折後30mほどで今度は右折する。
薄っすら残る内角ギリギリを攻める軽自動車のタイヤ痕を見て、建築限界という言葉が浮かんだ。
また、左の電柱には街灯が付いており、おなじみの都道プレートも付いていたことから、今いる道が都道であることを再確認した。

休む暇なく、道はクランクとまでは言わないがカクカクと曲がっていく。
左から合流してくるのは都道説のある道で、4枚上の画像で分岐した道から曲がってきた道である。
この交差点にも道標らしい石が置かれているが、現地では正体の確認をしていない。
もうひとつ。右路肩に郵便ポストがある。
ポストに貼ってある取集時刻表を見ると、平日は11時30分、休日は8時55分ごろに羽村郵便局が回収に来るとある。
配達にはバイクで来るのか軽ワゴンで来るのか、はたまたケーブルカーを使って来るのか興味は尽きない。
再配達依頼をされた日には大赤字確実な気がするが、不在のときは近隣のお宅へ預けてしまうのだろうか。

路地を進んでいくと分岐が現れる。
両者とも都道201号で、左はケーブル御岳山駅に至る支線、右はJR御嶽駅へ続く本線である。
あまり時間もないのだが、せっかくなので支線も歩いてみよう。

支線から本線を覗くと3段に折りたたまれた道が見えた。…3段目が随分下にあるのですが…
時刻は16時を過ぎており、尾根はともかく人工林に上空を遮られている中腹は既に暗い。
この先の画像の多くは帰宅後に露出補正しているのであしからず。

本線を覗いていたちょうどその時、下の方から軽いエンジン音が聞こえてきた。軽ワゴンが登ってきたようだ。
我、無言でカメラを構える。



ここから見える風景は確か八王子・拝島方面だったはず。

16:17
分岐から450mほどで駅前広場に着いた。
目の前の木造建屋が御岳山駅である。

駅前広場から見た下界の風景。
今からあそこまで下っていくのか……

16:28
現在地は支線を引き返し、本線を下り始めた最初の九十九折。
画像の箇所についてだが、コンクリート舗装されているため、後付箇所が良く分かる。
分析すると左のパーツは拡幅目的で、右のパーツは勾配緩和を目的として施工されたのではないだろうか。

一般車両通行禁止のうえ、このような道であるから、自動車の通行は少ない印象があるが意外と通行量が多い(夕方だったためか主として下る車が多かった)。
そのためか、頻繁に待避所が設けられている。

1.2kmほど下ってくるとケーブルと立体交差する。

このケーブル、開業から80年以上が経過しており、橋脚も経年相応の様子が見てとれた。

ケーブルにはもう一度接近する場面があり、画像はそこで撮ったもの。
線路上に上り383‰を示す勾配標がある。

日が暮れて近視眼的に見えることにより、下りカーブの尋常さが際立っている。
こんなのがいくつもあると言えば、この道の「ヤバさ」が少しは伝わるだろうか?

振り返って撮影。
舗装の縁にタイヤ痕が付いており(むしろ、軽自動車のトレッド幅に合わせて舗装されている?)狭幅員を物語る。
なにより、勾配凄まじくこの道を登りたいとは思わない。

「ろくろっ首」という案内板がある九十九折には、現道の内側に旧道が存在する。
特に紹介はしていないが、ここまで来る途中にも同じような案内板がいくつもある。
「ろくろっ首」の場合、以下のように書かれていた。

古名由来
道(旧道)を眺めてみてください。くねくね。うねうねな曲がり道。何みたいですか?大蛇?ミミズ?酔っぱらい?
 昔の人はこの場所を「ろくろっ首」と呼びました。

このように、それぞれ「いわく」が書かれているので読みながら進むとおもしろい。

左下に駐車場が見え、いよいよ山岳区間の終わりを予感させる。(まだ中腹なんですけどね)

17:25
現在地:東京都青梅市御岳二丁目
一般車両規制区間始点に到着。下山を開始してから約1時間が経過している。
この標識を過ぎると左手に滝本駅がある。駅っぽくない建屋なのだが、電気が煌々としており、下山者に安心感を与える存在となっている。

滝本駅から150m進むと「ケーブル下」という西東京バスのバス停があり、御嶽駅へ毎時2本程度運行されている。
バス停に着いた時刻は17時35分。次の発車は43分。バスはまだ来ていない。駅まで2.6km。…片道280円。
……よし、歩こう。

バスの誘惑を断ち切り、大半が1〜1.5車線の都道を下っていく。
この部分だけ見ても十分狭隘な都道なのだが、ここまでのメンツの強さに埋もれがちな可哀想な区間である。一応、街灯はあるので無装備でも歩くことは可能。

17:46
山道を下りきると都道45号奥多摩青梅線にぶつかる。
交差点には鳥居が建っており、名実ともに御嶽神社への参道入口と言える地点となっている。
なお、右折した後の御嶽駅手前までの1.1kmが都道45号との重複区間となっている。

帰りの電車が気になるため、早歩きである。
画像はラストスパート、多摩川に架かる御岳橋を渡っているところで、この先の国道411号にぶつかる御岳駅前交差点が都道201号の終点となる。
また、御岳橋には旧橋があり、僅かながら痕跡が残っているというので機会があれば再訪したい。

17:59
全区間を走破し御嶽駅到着。
18:01発の青梅線青梅行に飛び乗り、この日の調査を終えた。

訪問のうえでの注意点をひとつ。
御岳山集落から滝本駅までの道は街灯が無く、日没後はライト無しでは歩けなくなった。
無灯火歩行は怪我のもとになるのでライトを持っていなければ、素直にケーブルカーを利用されたい(もっとも、日没前に下山できる余裕のある行程を組むべきなのだが)。
あくまで800m級の山への登山であることを肝に銘じましょう。


(完結)

参考資料

東京都建設局道路管理部(発)・東京都道路現況調書 平成28年度
五日市町教育委員会(発)・五日市町の古道と地名

変更履歴

2017.4.12 公開
2019.6.23 移転に伴う改訂

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