国道411号旧道(第10回)・一之瀬高橋バイパス

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今回と次回で一之瀬高橋バイパスと大常木バイパス(Ⅰ期・Ⅱ期)の紹介をしていく。
3つのバイパスの整備目的は上萩原バイパスと同様に「災害に強い道路の確保」すなわち、落石や土砂崩落からの防護である。
一体的な整備に見えるが、一之瀬高橋バイパスは平成17年に発生した斜面崩落からの危険回避、大常木バイパスは法面異常に対する対策として整備されるもので若干経緯が異なる。
合計バイパス延長は1775mで、総事業費はおよそ48億6千万円である。

16:01
現在地:山梨県甲州市塩山一ノ瀬高橋
ひと昔前までここは2段のヘアピンカーブとなっていた。
今いるのはその上段だ。

ここから左に目を向けると対岸にガチガチに固められた法面があり、平成17年の崩落の爪痕が明確に残っている。

ヘアピンカーブの下段、現旧道交点。
旧道は切り返して谷底方向へ進む。

50mほど進むとゲートが設置されている。右下にはひっそりとキロポストが残っている。

アスファルトは剥がされているが、よく締まった砂利道である。
しかし、先程のゲートで自転車からは降ろされている。(通り抜け出来ないことを知っていたので敢えて持ち込むこともしなかった。)

下段から見た「ワッフル」。

左路肩にお馴染みの廃道化用土砂が積まれている。路面全体を埋め尽くすつもりかは分からないが、ゲートを開ければ重機も入れるのでやろうと思えばいつでも出来る状態ではある。

道は左にカーブするが、カーブの外側に旧観光地?が残っているので寄ってみよう。

その名を花魁淵(おいらん淵)といい、西多摩一帯では有名な場所らしい。
この地の所以を簡潔に示すと以下のとおり。
時は天正時代、黒川金山閉山のおりに口封じのため、五十五人の遊女が淵に沈められ殺害された。(雑な要約終わり)

方向感覚が分からなくなる写真。
カメラを斜め下に向けているのだが、川床が見えず切り立った地形となっている。
たとえ創作話だとしても、わざわざこんな所で踊らなくてもというのが感想。


動画からも分かるように、常に滝の音が轟いている。

本筋に戻ろう。
左カーブの先は直ぐに右カーブとなるが、その途中にフェンスが設置されている。これは、この先に架かっていた橋が撤去されており、深夜に徘徊する不届者の冒進を防ぐためだろう。

先端に立つとまさに崖っぷちで、川床との高低差は30mはある。ここに一の瀬川橋というアーチ橋が架かっていた。

その先の路盤も同様に切り立っており、落ちたら自力では上がって来れないだろう。

来た方向を振り返る。
Z字の道が印象的。奥多摩方から自転車で来てこの風景を見たら「うへぇー」であろう。

16:14
さて、一之瀬高橋バイパスのメインヒロインである一之瀬高橋トンネルを通って反対側にやってきた。現道はトンネルの両端が橋という高規格の道である。
例によって、法面に沿って右へ別れるのが旧道である。

旧道に入ると直ちにゲートがある。立てられている看板によると「カメラ作動中」らしいが、費用対効果から考えて事実かどうかは疑わしい。

こちらも同様にアスファルトは剥がされている。

振り返って撮影。丹波山村の行政境界標識が残されている。塩山市ないし甲州市Ver.は無いようだった。

川が部分的に白く濁っており、小規模な滝が連続している。すなわち、路盤と川床の高低差も急速に大きくなっていく。

ここにあるロックシェッドは後付のようだが、その区間の法面は地山なのか古い施工なのかいずれにせよ木一本生えていない。

しかし、シェッドの上に木が自生している時点で、上から「相当降ってくる」場所だったということがわかる。

シェッド内部は大きな痛みも無い。
下から崩れない限り、数十年後シェッドの外が土砂落石に埋もれる中でも、ここだけは今の姿を残すのだろう。

では最後に
これより丹波渓谷 急カーブ多し
ゆっくり走れば楽しい丹波路

引き続き、安全運転ですぞ。


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