国道411号旧道(第11回)・大常木バイパス(Ⅰ期・Ⅱ期)

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16:19
現在地:山梨県丹波山村
現在地は大常木トンネルの塩山側の坑口。
右に旧道が残っている。
残っている…のだが、トンネルのポータルが張り出しており、この先へ行くには腹をトンネルに張り付けて、細っそい足場をカニ歩きしなければならない。
しかし、それを実行しようものならトンネルによって谷底に弾き飛ばされる気さえした。
私にはそれができる自信も技術も持ち合わせていなかった。撤収ー!

トンネルを抜けて奥多摩側にやってきた。
当然だが左に旧道が残っている。

うーん…ダメだこりゃ…
身長以上の深さがあって降りることはできるが登ってこれるかは怪しい。懸垂の要領で登れるだろうなどと楽観しないのが吉だ。
事前調査でこの状況は知っており、トンネル上部を経由するルートも検討したが、現地の状況を見て結局断念した。

真ん中と上がダメなら下はどうか。
経年の排水で抉れたのかは分からないが、足を踏み入れたら谷底直行コースな気がする。よって却下。

両端の現状から大常木バイパスの旧道への侵入は諦めた。排水溝に板でも持ってきて架けない限り、安全に立ち入る方法はないだろう。
幸い両端とも視界が開いていて、目視できていない部分は僅かだと思う。
倒木はあるが大規模な崩落などはないようだった。

続いて大常木バイパスⅡ期区間へ。
当バイパスの9割は前方のトンネルが占めている。また、トンネルポータルが現道の路盤の一部を使用し造られており、現道は仮設橋を架けてこれを迂回している。

650mのトンネルの名を「かたなばトンネル」といい、スケジュール通りならば先日、照明設備工事が終わったはずだ。

いざ旧道へ。

早速振り返るが、新道開通後、現道方面に人が通れるスペースが残されるかはかなり怪しい。トンネルに排水設備が備えられていることもその説を強くさせる。

この区間、上萩原バイパスの旧道と異なり、急カーブが連続しているというわけではない。

法面のモルタルに劣化が確認されたことが、付け替えのトリガーとなったようだ。

国道を走り始めてから初めて現れた洞門。名を大常木第一洞門という。しかし、この後も第二洞門を目にした覚えはない。前回紹介したロックシェッドがそうなのだろうか?

上萩原バイパスの旧道では石積みの法面が多かったが、それ自体に崩落の危険があるという話は調べた限り聞かなかった。

耐用年数としては石積みの方が長いのだろうが、当区間では険しい地形からモルタルで吹き付けるほかなかったのだろう。
ただ単純に戦後施工された区間であるから、手間のかからない方法で行われただけかもしれないが。

新道と合流。こちらも現道に仮設橋が架けられている。
また、トンネルが緩衝工の如く飛び出している。

大常木バイパスⅡ期の完成は平成30年度予定となっており、奥多摩側も塩山側と立地条件に違いはないため、新道開通後に仮設橋が外されると現道への立ち入りは困難になるだろう。
引き続いて奥多摩方面へ進む。

この付近から対岸を見ると第9回の最後に出てきた黒川通りらしき路盤が確認できる。

また、途中に小規模な道路付け替えがある。

狭隘区間の改良と見られ、日原街道などでも旧来の路盤の谷側を人工的に拡幅する例がある。ここではそれすらもできなかったのだろう。
この先、奥多摩湖までの間にも同じような付け替えがある。

そして、現在地は丹波山トンネルの塩山側坑口。
右側に旧道がある。…あるか?

……あるね。


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