国道411号旧道・丹波山村周辺

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調査日:2017.5.6

大菩薩峠周辺の国道411号については今年の正月に調査をしているのだが、日が短いこともあって羽根戸バイパスまで来たところで日没(=タイムアウト)を迎えてしまった。そのため、羽根戸バイパス以東の旧道については、その存在を認めつつも写真などはほとんど撮らなかった。

この日は別件で再び丹波山村に行く機会があり、別件が片付いた時点では日も高かったため、ついでに見て回ろうとなった次第。
区間は羽根戸バイパス以東、奥多摩湖西端の鴨沢までとしたが、現在は橋で一気に通り抜けるところを地形に沿う形の旧道が多く、現道からもその様子が見れるため、基本的には立ち入らず、大半は現道からの「引き」の写真を撮るに留めた。
しかし、それではストリートビューで見るのと変わらないので、現地で得た情報を最大限紹介していければと思う。

旧船越橋

位置

現道の羽根戸バイパス区間にある船越橋(ふなこしはし)は平成14年竣工で、旧道が多摩川左岸を通っていたというのは過去の地図からわかる。事実、塩山方向に少し戻ると現道から左に分かれる旧道がある。

その一方、現在地から右に分かれる旧道も存在するようだ。
センターラインが引かれた2車線の道で、現道の完成まで仮設の道として使われたのだろうか。

しかし、気になる点もある。右岸の橋台は現代的なコンクリート造なのに対して、左岸は新設したにしては古めかしい。
明治時代にも船越橋(現橋から数えて少なくとも2世代前)が架かっていたというので、その時から残る橋台とするのがロマンがあって良いと思う。

旧余慶橋

位置

現道の余慶橋(よけいはし)は平成4年6月の竣工でその隣に昭和36年竣工の旧余慶橋が架かっている。

4つある親柱のうち1つがひっくり返っているほか、塩山側の旧道は廃道化工事がなされている。

旧大萩谷橋

位置

現道の大萩谷橋(おおはぎやはし)は平成25年6月竣工。

旧道は既に橋桁が撤去され、橋台のみが残っている。

丹波山温泉大橋旧道

位置
道の駅たばやまを右手に坂を登っていくと平成21年9月竣工の丹波山温泉大橋(たばやまおんせんおおはし)があり、左斜面に取り付く形で180mほどの旧道が残っている。

塩山側は遊歩道の入口のようになっており、坂を登ると2車線の道が現れる。
前半部は資材置場にされているようで配管などが置かれている。

後半部は普通の廃道となっており、"おにぎり"が残る。

奥多摩側の現旧道分岐点。
ザ・旧道

貝久保橋旧道

位置

貝久保橋(かいくぼはし)は昭和46年3月竣工。

現道からは旧道のしっかりとした路盤と石垣の擁壁が確認できた。

滝口橋旧道

位置

滝口橋(たきぐちはし)は昭和47年3月竣工。
滝口第二洞門と滝口第一洞門に挟まれた場所にある。
旧道中ほどから上に続く階段があることから、現在も使われている道と思われる。

滝口沢を跨ぐための溝渠が旧道にも存在する。

溝渠から東側はフェンスで囲まれた小屋のような建物が建っているため、車両での通り抜けはできなさそう。

樅尾根橋旧道

位置

樅尾根橋(もみおねはし)は昭和49年3月竣工。

旧道は歩けないことはないだろうが、ここまでで一番荒れているように見えた。
祠ではない祠っぽい何かが路肩にあるようだ。

天狗島橋旧道

位置

天狗島橋(てんぐしまはし)は昭和51年1月竣工。

状況は樅尾根橋旧道と似ており、祠っぽい何かがある。

通り沢橋旧道

位置

通り沢橋(とおりさわはし)は昭和51年9月竣工。
旧道は落石防止壁の裏側を除いて、僅かに平場があるかなといった程度。

竹の尾橋旧道

位置

竹の尾橋(たけのおはし)は昭和53年3月竣工。
この旧道が国道411号のうち丹波山村最東部の旧道かと思う。

区間中約半分は路盤が削り取られている。

残りの半分に1車線弱の道が残る。


今回紹介した区間のうち、道の駅たばやま以東の旧道は昭和40年代後半から50年代前半にかけて現道への付替えが行われているが、当時の県道甲府青梅線の全線2車線化が完成したのが昭和53年(国道昇格が昭和57年)というから、それに関連するものであろう。
橋の竣工年を読み取るに竹の尾橋の完成をもって、全線2車線化達成となったのかもしれない。


(完結)



おまけ


帰り道、小河内神社に(何回も近くを通りかかっているものの)行ったことがないことを思い出したので、この日初めて訪問することにした。
いやーこの祭壇に向かっている感じがたまりませんなぁ

小河内神社の狛犬。
巫女さんとかおみくじとかそういうのはありませんでした。

行きに登って来た猛烈な坂を降りている途中、先の方からガサガサと何かを漁る音が聞こえてきた。
近づくにつれて音の発生源が左手奥多摩湖側の斜面からだとわかったので覗き込んで見る。

あらこんばんは。
そんなところにいて危なくないのですか?

1、2分顔を合わせていると向こうも飽きたのか再び落ち葉を掻き分けながら私とは反対方向に歩いていった。

カモシカを見ることにより今日の目的を100%達成した私は満足して奥多摩の地をあとにした。

1 件のコメント:

  1. 1982(昭和57)年3月31日までの主要都県道甲府青梅線は山梨県道1号・東京都道6号でした。

    1981(昭和56)年4月30日の一般国道411号指定に伴い、甲府青梅線は1983年に廃止されています

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